世界三大仏教遺跡に行ってきました。
こんにちは。今回は、旅先で仏教の世界観に感動した筆者が、無理をしてまで足を伸ばした世界三大仏教遺跡について話をしようと思います。
そもそも、世界三大仏教遺跡が何なのか、ご存知でしょうか?
あまり知られていないので、「仏教遺跡に世界三大なんてあんのかよ」なんて声も聞こえてきそうです。
その3つの遺跡は、
アンコール遺跡群(カンボジア)、ボロブドゥール(インドネシア)、バガン遺跡群(ミャンマー)となっています。全て東南アジアにあります。
どの遺跡も個性があって、本当に訪れてよかったと感じました。ひとつひとつ特徴や、見どころを解説していきます。
1. アンコール遺跡群(カンボジア)
世界三大仏教遺跡の中では圧倒的に有名なカンボジアにある、アンコール遺跡群。中でも、カンボジアの国旗にも描かれているアンコール・ワットが有名ですよね!
最大の見どころはやはりアンコール・ワットですが、そのほかにも多くの見どころが存在します。
まず、訪れてびっくりするのはその広さです。アンコール遺跡群は、全てまわろうとしたらトゥクトゥク(タクシーのようなもの)をチャーターしても3日はかかります。1週間かけてじっくりまわる人もいるくらいです。
その理由としては、遺跡ひとつひとつがとにかく大きいので、ひとつの遺跡をまわるのに、1〜3時間ほどかかってしまうこと、単純に遺跡群の範囲が広いことが挙げられます。
今回は数多くの遺跡の中でも3つの主要な遺跡を紹介していきたいと思います。
1つ目はもちろん、アンコール・ワットです。これは外せません。
特に早朝の暗いうちに訪れることをオススメします。
アンコールワットは、西向きに建てられているため、日の出とともに、朝焼けをバックにした幻想的なアンコールワットを拝むことができます。 大変綺麗で写真では伝わらない感動があります。是非、自分の目で確かめてみてください!
ただ、早朝ではなく、日が昇った後の午前中に行ってしまうと、逆光で良い写真が撮れなかったりするので、訪れる際は注意してほしいです。
また、アンコールワットは、アンコール遺跡の玄関口に位置するため、朝早くにアンコールワットを見てしまった方が、効率よく他の遺跡をまわることができます。
2つ目はアンコール・トムです。
この遺跡は、アンコール・ワットの近くにあって、かなり行きやすいです。
アンコール・トムの中心にあるバイヨン寺院には遺跡内にたくさんの観世音菩薩の顔があります。表情もひとつひとつ異なるので、見ていて楽しいです。
↑観世音菩薩の四面塔
↑アンコールトムの入り口にある南大門。入り口をくぐっている象が小さく見えるほど大きい!そして中心にはやはり、顔!
バイヨン寺院の周りにはぐるっと1周壁一面に美しく、細かいレリーフが描かれています。アンコール朝時代の不思議な世界観に魅了されます。
さらに、象に乗りながらバイヨン寺院を1周するサービスもあります。20米ドルと、少し割高ですが、乗ってみるのもアリだと思います。
3つ目はタ・プロームです。
この遺跡では、大きな木々によって遺跡が侵食されている様子に驚かされます。
漫画「ワンピース」が大好きな筆者は空島編の世界観を感じずにはいられませんでした。
遺跡のあらゆる場所が木々に侵食され、ジャングルに隠されていた時間の長さを静かに感じさせてくれます。
実はこの木々によって、遺跡がダメージを受けているようなのですが、日本やフランスなどによる支援のおかげで今の状態を保つことができているそうです。
とは言っても、他の遺跡と比べて崩れた状態で放置されている場所が多いことから、このまま自然崩壊してしまうのではないかと心配になる遺跡でもありました。
今回紹介した3つの遺跡は代表的なものを紹介したにすぎません。その他にも、興味深い遺跡はたくさんあります!訪れる際はたくさん調べて、自分なりのコースを考えてみてください!
2. ボロブドゥール(インドネシア)
続いては、インドネシアにあるボロブドゥール遺跡についてです。
この遺跡は世界最大級の仏教寺院で、全て石でできています。一応、日本に伝わった仏教と同じ、大乗仏教の寺院なのですが、伝わり方でここまで建築様式が変わるのはとても面白いです。
各層には回廊があり、その壁には一面に美しく、精巧なレリーフが刻まれています。
遺跡自体が巨大なので、回廊を歩くのも一苦労です。日陰がほとんどなく、直射日光がきついので、日傘を持って行ったり、ポイントを絞って散策することをオススメします。
ボロブドゥールといえば、やはり頂上付近にたくさんあるストゥーパ。とても精巧に作られています。
小さなストゥーパの中にはそれぞれ仏像が安置されていて、覗き込むと見ることができます。非常に不思議で、興味深いつくりです。
背後にある一際大きなストゥーパには、釈迦の遺骨がおさまられているそうです。
遺跡の周りは360度なんにもない平原です。
自然豊かな景色と、その上に建つ不釣り合いな巨大遺跡に心を奪われます。
僕は行けませんでしたが、ボロブドゥールから見る朝日がめちゃくちゃ綺麗だそうです。
横幅が広すぎて、正面から全景を写真におさめることはかなり難しいです。
遺跡の背後に広めのスペースがあるので、そこから写真を撮ると、なんとか全景をおさめることができます。
また、ボロブドゥールは学割が効くので、学生の場合は、学生証を持っていくことをオススメします。
僕が行った時は本来は約2500円のところを、学生証を出したら約1650円ほどでは入れました。国際学生証ではなく、普通の普段使っている学生証で問題なかったです。
個人的にはここが一番感動しました。
世界三大仏教遺跡の中では唯一世界遺産に登録されていません。
世界遺産に登録されていないからこそ、知名度があまりなく、そこまで観光地化されていないため、地元の人たちの信仰心がはっきりと見えてきました。非常に興味深い経験をすることができました。
このバガン遺跡群は、大小様々な仏塔が乱立しているのが特徴です。それぞれの仏塔に仏像が安置されており、信仰の対象となっています。
ひとつひとつの仏塔の間隔が狭いので、レンタサイクルでまわると効率よくまわれます。
仏塔に訪れる人は、時間帯にもよりますが、大体観光客半分、地元民半分といったところです。
地元の人々はそれらの仏像にひざまずき、お祈りを捧げたり、念仏を唱えたりしていました。
ミャンマーでの仏教の影響力の強さを体感しました。
また、これらの仏塔は、地元民の交流の場にもなっているようで、親に連れられた、たくさんの子どもがいました。
仏塔の日陰で休憩していると、多くの地元の人たちが話しかけてくれました。地元民と交流ができたのがとても良い経験になりましたし、なにより楽しかったです。それができるのも、このバガンの大きな魅了だと思っています。
残念ながら僕がバガンにいた3日間は、雨季だったこともあり、全て曇っていて綺麗な朝日や夕日を見ることができませんでした。それでも十分綺麗な景色が拝めました。
しかし、乾季(10月〜4月)だと気球が飛び、乱立する大量の仏塔と、それらを照らす朝日を上空から見ることもできます。
もう一度訪れて、気球にのってさらに綺麗な朝日を拝みたいものです…。
このように、素晴らしいバガン遺跡群ですが、なぜ世界遺産に登録されていないのでしょうか?
一説によると、修復の仕方が良くないからだといわれています。確かに、遺跡の一部をコンクリートで塞いでしまっていたり、文化遺産としての仏像の修復方法には問題があったりします。
しかし、それは、現地の人々がバガン遺跡群を重要な文化遺産としてではなく、信仰の対象としてみているからであるように見えました。彼らの信じる仏教の世界観を体現したり、信仰の便宜上、そうしているだけのように見えたのです。これは、個人的な感想ですが、バガンを訪れることで色々と考えさせられるものがありました。
なにがともあれ、バガン遺跡群が、まさに今訪れるべき遺跡であることは間違いありません。厚い信仰が残っているうちに是非訪れてみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがだったでしょうか?どの遺跡も特徴的で面白かったです。今回は世界三大仏教遺跡にスポットを当てましたが、他のディープなスポットも紹介していけたらと思っています。
長々とした文章を読んでいただき、まことにありがとうございました!